コーヒー生産国がどのようにして管理及び出荷をしているかを見てみましょう。
世界最大の生産国ブラジルのコーヒー業界は、生産者・精選業者・輸出業者・協同組合・国内焙煎業者で構成されています。 ブラジル連邦政府コーヒー院(IBC)が1992年に閉鎖され、現在は協同組合が生産・流通の全般を管理しています。近年は、生産者が海外業者と直接取引をするケースも増えてます。
コロンビアのコーヒー機関はコロンビア国立コーヒー生産者連合(FNC)で、生産者への技術指導、生産地域への福祉事業、コーヒー豆の買い上げ、、輸出政策の決定など、全般を管理しています。 輸出業者はバーチメントコーヒーの状態で買い付け、脱穀・選別して輸出するのがコロンビアの特徴となっています。
ジャマイカでは、コーヒーの輸出は全体的に農務省によって管理されており、その実行機関としてコーヒー産業公社(IBC)があります。 CIBはコーヒーチェリーの生産処理、等級選別、品質検査、船積みまでに加え、外国為替も管理しています。
コーヒー生産はアメリカ合衆国の農務省の管轄に入っており、その実務にはハワイ州政府農務省流通局キャプテンクック支部によって行われています。ここでは、等級表示検査や産地別のスタンプを発給するなどの業務を行っています。
インドネシアでは、コーヒーに関する基本的な政策は商業省貿易局によって決定され、その政策の実施にはコーヒー輸出組合(AICE)が中心となって行います。インドネシアには、多くの国営農場があることも特徴で水洗処理から輸出までの総合生産管理を行っています。
コーヒーの品質管理、輸出管理は政府機関であるエチオピア・コーヒー・紅茶庁(CTA)によって行われています。輸出業者はオークションでコーヒーを買って選別した後に、適するものだけを輸出しています。その後の選別は人の手で行われています。コーヒーはアラビカ種のみで、そのほとんどは非水洗式です。またエチオピアでは自然林方式による栽培が多く残っています。
1933年以来、生産、調査、研究、販売、農家に対する金融および指導など、コーヒーに関する業務のすべてがコーヒー・ボード・オブ・ケニア(CBK)によって運営されています。CBKはコーヒーに対する全責任をもって活動しており、ケニアで生産されるすべてのコーヒーは、CBKを通じてでないと販売できないことが法律で規定されていました。しかし1999年、民間オークションの道がついに開かれました。さらに、2004年にはオークションを経由せずに取引可能となる方式を併用する新しい制度に変更されました。
生産、販売などコーヒーに関する業務はすべてタンザニア・コーヒーボード(TCB)によって責任をもって運営されています。TCBは、ケニアにおけるKCBと同等の性格をもっており、相違点としてはTCBから買い付け免許を取得できれば、業者は農家と直接取引が可能になった点です。
以上、おもなコーヒー生産国の管理流通の仕組みです。ここに載っていない各国でもそれぞれのルールでコーヒーの流通が管理されています。